2015年8月23日日曜日

四国の二大霊峰と讃岐うどんを巡るツーリング⑤ いよいよ讃岐うどん巡礼の旅。一日目は金毘羅さん詣を挟んで6軒クリア

朝は6時に起床。
気持ちのよい爽やかな祖谷渓谷の空気。


朝食は7時から一階の食堂で。



洗濯までしてくれた親切な祖谷観光旅館の女将さんにお礼を告げてバイクに跨ります。
大歩危への峠に向かう途中に振り返ると、先程までいた祖谷渓谷が小さく眼下に見えます。
素晴らしい平家伝説の集落群でした。




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峠を超えると、大歩危。


峠から一気に大歩危峡へと下っていきます。



昨日も走った大歩危峡。



小歩危峡。



昨日の吊り橋よりも下流に、また吊り橋を見つけました。


渡ってみることにします。


朝の渓谷は清々しい気分。


下を覗けばスリリング。


一昨日泊まった白地温泉小西旅館の脇を走って池田大橋へ。
ここは吉野川が大きく東へ流れを変えるポイント。
徳島自動車道の高い橋梁も見えます。



四国中央橋を渡って吉野川左岸、香川県側へ。



一気に高度を上げて、峠に向かいます。


トンネルを抜けると、そこは猪の鼻峠



ここからいよいよ、香川。
うどん県です。


今日一軒目を食べる店がある三豊市が見えてきました。




本日の1軒目は三豊市の須崎食料品店
田舎の住宅街にある食料品店です。




行列は少しずつ動いています。
10分ちょっとで店内まで進みました。
どう見ても明らかに小さなスーパーです。
男性の係の方が注文を取りに来ました。
大か小か、温か冷かだけを伝えます。


程なくうどんが奥の厨房から運ばれてきます。


私は冷の小にしました。
実に美白な麺。


うどんを受け取ったら薬味のトッピングです。
温泉玉子と生卵は有料、他は無料のセルフサービスです。


ネギと生姜をたっぷりかけて、お醤油を少し垂らし、温玉をトッピングしました。



愛車の前のベンチに座って頂きます。



一口食べて驚きました。
極太の麺は小麦粉の味がダイレクトに伝わってきます。
しっかりと一本ずつ噛まないと負けてしまう強い腰。


温玉とも絡めて。
玉子の甘みと小麦の甘み、そこに醤油が加わってシンプルながらも素晴らしいハーモニー。



器を戻してお会計。
たった260円で大満足です。



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旅館の朝ご飯を食べたせいか、一食目の須崎食料品店で既に胃が張っています。
まずは消化を促進しなければ、とバイクで10分ちょっとの金比羅宮に参拝することにしました。
門前の駐車場にバイクを預け、表参道を歩き始めます。


造り酒屋や旅館など歴史を感じる建築物が並んでいます。


金毘羅さんへのお参りは、785段の石段が試練。
これでお腹を空かせようという作戦です。









「さあこれからだ。こんぴらさん」
という幟を横目に一之坂鳥居をくぐります。
ここで113段。


既に汗だくです。
振り返れば琴平の町並みが見えます。


大門にたどり着きました。


かなり登ってきましたが、まだ365段。
半分弱といったところ。


大門から150メートル程続く石畳の道は、桜馬場と呼ばれます。
少し平坦な道が続きます。


道の両側に続く玉垣の内には、数十株の桜が植えられ、その間に無数の石燈籠が建てられています。


平坦な桜馬場を進み、青銅の鳥居をくぐって石段を数十段のぼると、正面に特に大きな鳥居が現れます。
桜馬場西詰銅鳥居です。


桜馬場西詰銅鳥居の横に、こんぴら狗の銅像があります。
イラストレーターの湯村輝彦さんのデザインです。


江戸時代、江戸を中心とした東日本の各地から伊勢神宮や金毘羅大権現(今の金刀比羅宮)、京都六条の東西本願寺への参拝の旅は庶民の人生の一大イベントでした。
これらの社寺への参拝の旅は大変なことで、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くこと(「代参」)がありました。
実は、代参をしたのは“人”だけではなかったのです。
「こんぴら参り」と記した袋を首にかけた犬が、飼い主の代参をすることもあったのです。 
袋には、飼い主を記した木札、初穂料、道中の食費などが入っていました。
犬は、旅人から旅人へと連れられ、街道筋の人々に世話をされ、目的地にたどり着い たのです。
金毘羅大権現へたどり着いた犬も、そんなのどかな風習により、立派に務めを果たしたのでしょう。
この「こんぴら参り」の代参をした犬は、特に「こんぴら狗」と呼ばれたのです。


更に石段を登ります。




社務所門
その奥が書院です。
ここまでで477段。


途中の広場には2棟の社殿があります。
祓戸社と火雷社です。
祓戸社の御祭神は、瀨織津姫神・速秋津姫神・気吹戸主神・速佐須良姫神です。
神道の真髄ともいうべき、罪穢を祓い清める神様です。
本殿は流造・銅板葺です。
ここで595段。


正面に雄大壮麗な社が現れます。
本殿にたどり着いたか、と勘違いしてしまいますが、これは御本宮ではありません。
旭社です。
御本宮参拝を済ませた帰路に旭社をお参りすることになっています。
旭社の御祭神は、天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・伊邪那岐神・伊邪那美神・天照大御神・天津神・国津神・八百万神です。
天保8年(1837)に竣工した社殿は、高さ約18メートル、銅板葺の総﨔造二重入母屋造で、全て槻材が用いられています。
628段。




旭社を左手にみながら、廻廊に沿って北へ進み、唐銅の鳥居をくぐります。
この鳥居は、慶応3年(1867)に伊豫松山松齢講より献納された黄銅鳥居です。





鳥居をくぐると賢木門(さかきもん)があります。
賢木門は、唐破風と千鳥破風の棟が交錯する檜皮葺の屋根をもち、他に類を見ない優麗温雅な様式を備えます。 
石段642段。



鳥居をくぐると、正面に手水舎があります。
実は、手水舎の手前で道が一段下がっています。表参道から本宮まで石段を上る中、唯一下がるのはこの1段だけです。
御本宮までの石段は785段といわれていますが、実は、「上がる」石段は786段あります。
つまり、ここで1段下がることにより、786-1=785段となります。
一説によると、786の「な・や・む」と読める語呂を忌み嫌い、一段下げて785段にしたといわれますが、定かではありません。

公式HPから

御前四段坂
真須賀神社を拝し左折すると、急な石段が続きます。

石段は4段階に分かれ、各数十段あります。
御前四段坂と呼ばれ、ここを上りきれば御本宮。
もう一息です。

785段目。
よくぞ登ってきました。


ようやく御本宮に着きました。
登り始めて35分。
海抜は251メートルです。

本宮の御祭神は、大物主神と崇徳天皇です。
農業・殖産・医薬・海上守護の神として古来からの御神徳を仰がれています。
家内安全と、自身の交通安全を祈願します。


本宮の北東側は、人工の高台が広がり、展望台になっています。
ここからの眺めは絶景です。
讃岐平野の彼方に瀬戸大橋や讃岐富士などを望むことができます。



本宮の前にある大木は、神木のクスノキです。
幹の周りは約4.7メートル、高さは約25メートルあります。



山頂の御本宮脇にある神札授与所でしか授かれない幸福の黄色いお守りを買いました。


南渡殿の南端に三穂津姫社があります。
本宮の御祭神である大物主神の后にあたる、高皇産霊神の御女、三穂津姫神が祭られています。



三穂津姫社の南側に、絵馬殿があります。
絵馬殿には、各地から祈願報賽のために奉納された無数の絵馬が掲げられています。もともとは、生きた駿馬を神に奉納したのが始まりです。
後に、絵に描いた馬、つまり「絵馬」を奉げるようになりました。
さらに、馬ばかりではなく、武者絵や美人画の絵馬も現れるよ うになりました。
金刀比羅宮は航海安全祈願の信仰を集めていることから、特に船の絵馬が多くみられます。


785段の石段をゆっくりと下りることにします。
汗だくでぐったりですが、幸いお腹は空いてきました。
本日の二軒目へ向かうことにします。





金比羅宮を参拝してお腹が空いてきました。
松山自動車道~瀬戸中央自動車道を経由して30分ちょっと。
坂出の日の出製麺所に来ました。


その名の通り製麺所ですが、店先の食堂で作りたての生うどんを食べさせてくれます。
昼間の1時間しか営業しないという都市伝説の店。
日曜日とあって、熱中症覚悟の行列。
本場讃岐うどん巡りも、修行の域を越えて、もはや命がけですが、案内係の女性の見事な仕切りで混乱はありません。
注文の仕方も事前に説明があるので、初めての人でも安心です。
冷たい、ぬるい、熱い、大、中、小のシンプルな組み合わせ。
11時半の開店から先着100色はさぬきの夢という、地元産の小麦粉を使ったうどんが食べられます。
それ以降は日の出オリジナルの配合ということですが、私の順番からいって、もうさぬきの夢は終わっています。


店内に案内されました。
コンクリ打ちっぱなしの床に簡易テーブルと丸椅子。
細かく座る場所を指示されますので、狭い店内ですが整然としています。


 卓上には、生姜、天かすと有料の生卵が置かれています。


テーブルに着くと注文を聞かれます。
私は冷たい小にしました。
キリッと締まった麺が、綺麗に撚って盛り付けてあります。


ネギは自分でハサミで切ります。
この経験は初めて。


天かすとネギをのせ、当店特製のいりこだし醤油を少しだけかけます。


やや柔らかめの麺。


滑らかで優しい喉越しです。
小麦の甘みを感じます。
あっという間に食べ終わりました。
驚きの100円でした。






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本日の三軒目は丸亀の人気店、中村うどん
14時閉店の店に13時に到着。
かなりの行列です。
マンションの一階に入っていて、一見、一般的なうどん店に見えますが、セルフ店です。


行列はゆっくりと進んでいます。
メニューを眺めながら組み立てを考えます。

やはり30度を超えるこの暑さですから、ひやひやでしょうか。



麺が入った丼が渡されます。
綺麗な細めの麺です。


スーパーセルフなので、出汁も自分で注ぎます。


ネギと、自分でおろした生姜をのせます。


トッピングがいくつかある中から、ちくわ天をチョイス。
美味しそうです。



一口啜って驚きました。
麺は細いのに粘りが凄く、噛み切れないくらい。
ツルツルと素晴らしい喉越しです。


ちくわ天はもちろんサクサク。


しっかりとしたいりこだし。


もちろんひやひやの出汁は熱中症対策も兼ねて飲み干します。
完食完飲です。


ペースが乗ってきました。
この調子ならまだまだ行けそうです。
330円で大満足でした。



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本日4軒目はやはり丸亀の純手打ちうどん よしや


15時閉店の店ですが、14時10分前のチェックイン。


ここでは食べるものを決めてきました。
季節メニューのすだちひやひやです。




涼味満点のすだちひやひや


クリアな出汁。


たっぷりのすだちが目にも優しく美味しそうです。


麺はやや不揃いで個性的。
強すぎず、弱すぎないバランスの取れた腰のある麺はのど越しも良い。


すだちの酸味のある出汁は、もちろん完飲です。
これで熱中症対策も万全。
360円で気力体力とも回復しました。




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今日の五軒目はフルサービスタイプの有名店へ。
宇多津町のおか泉です。
20時まで営業している人気の一般店ですが、14時半でもこの行列です。


およそ10分待って、店内へ。
エアコンの効いたテーブル席で炭入りのお冷を飲みながら、うどんが出てくるのを待ちます。
今回の讃岐うどん巡りで、こんなにゆったりしたのは初めて。
猛暑の中をバイクで走り回ったので、ホッとします。
小上がり席もあって、家族連れも多く来ています。
出てくるまで7、8分だったでしょうか。
ぶっかけおろしです。


肌理の細かい美しいうどん。


たっぷりの大根おろしと生姜。
乾いた身体が求めているものです。


さっそく頂きます。
腰はありますが、のど越しは滑らか。


ぶっかけ出汁は醤油が利いた濃い目の味。
さすがにトータルバランスがいいうどんです。


胃が張ってきたので、ちょっと手こずりましたが、完食完飲です。


この店に小は無いので、当店名物のひや天おろしを頼んでいたら、ここで打ち止めになっていたでしょう。
432円は十分安いのですが、この値段でも高く感じるから、讃岐うどんは不思議です。



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もう一軒行きたいと、この時間で、まだ間に合いそうな名店をピックアップしました。
善通寺市の長田 in 香の香です。

17時閉店ですから、なんとか間に合いそうです。

まだ暖簾がかかっていました。


釜あげ小を頼みました。
冷しも気になりましたが、やはり釜あげは熱々に限ります。



大きな釜で次から次へとうどんを茹でています。


店内にいる全員が黙々と釜あげを啜っています。


およそ15分待って出てきました。釜あげ小


同時に持ってきてくれた出汁の入った大きな徳利。
ところがこれが熱すぎて、器に注ぐことが出来ません。
四苦八苦した挙句、ハンカチを使って底を支えてなんとか出汁を注ぐことが出来ました。


ここにネギ、生姜、すりゴマをたっぷり入れます。


熱々の湯に浸かっているうどんを引き上げ、やはり熱々の出汁にくぐらせます。


出汁はしっかりと醤油が利いた濃い目。
釜あげうどんをくぐらせるうちに次第に薄まることも見越してのことでしょうか。


釜あげを前提に打たれているうどんなので、少々のことでは煮崩れることのない固さだろうと思っていましたが、そうではありませんでした。
もちろん煮崩れるようなヤワなうどんではありませんが、だからといって腰が勝っている訳でもありません。
むしろ滑らかで柔らかいとすら感じる食感。


完食しました。
文句なしの250円。





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陽がずいぶんと傾いてきましたが、まだ30℃はありそうです。
本日は目標の5軒を上回る6軒をクリア。
讃岐富士を正面に見ながら、高松自動車道を東へ。
今日の宿は高松市内です。

【本日の走行距離】179.9km


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