ランチは、前もって決めてあった小浜漁港近くのメガ盛り食堂。
港に面し、小浜海上保安署の隣にあるこだま食堂。
入口にはメニューがずらり。
いずれも大変魅力的ではありますが、注文は決めて来ました。
店に入ると、いきなり凄い光景に出くわします。
ご飯やみそ汁、クリームシチューやスープなどのセルフお代わりコーナー。
まるでバイキングのようです。
カウンター席に案内されました。
定食(丼もの)・セットを注文した人が利用可能なシステムとなっています。
もちろん私の狙いはこれ。
当店名物わらじかつ丼。
テーブルに着くや否や
「わらじかつ丼をお願いします!」
とかなり前のめりに、女子高生アルバイトと思しきお姉さんに注文しました。
「すいません、さっきわらじが売り切れたんです」
予想もしなかった答に、私の頭は真っ白に。
「・・・・・」
彼女は申し訳なさそうに私の顔を見ています。
きっと、相当悲しい顔をしていたのでしょう。
朝6時に起きて、炎天下を小浜まで走ってきた今日最大の目標を、たった今失ったからです。
「ちょっと、考えます・・・」
という言葉が、辛うじて私の口から出て来ました。
熱中症で水分不足の私は、卓上のポットから冷水を何杯も注ぎながらメニューをめくります。
越前おろしそばも名物のようですが、これはご飯ものとのセットにすることで、まずは第一段階は決定。
しかしその後がなかなか決まりません。
あまりにもメニューが多いのです。
5分以上悩んだでしょう。
かつどんのページを開いた私は、私の悩みに答えられそうなベテラン女性店員に声をかけました。
「すいません、わらじかつ丼に近いのはどれでしょうか?」
「味はソースなので、スースかつ丼が同じになりますね」
「量はどれが近いでしょうか」
「3枚でわらじと同じですね」
なるほど、見ればわらじかつ丼とソースかつ丼の大が同じ値段。
グラム数が同じなのだな、と見ました。
しかし、そばも食べたいので、かつ丼は並にすることにしました。
「ソースかつ丼の並をセットにして、おろしそばでお願いします」
まだ食べてもいないのに、大きなミッションを果たしたようにぐったりとなりました。
10分ほど待って出てきたソースかつ丼とおろしそばのセット。
わらじかつ丼を拝むことは出来ませんでしたが、十分な大きさです。
丼からしっかりとはみ出しています。
越前おろしそば。
小鉢は冷奴。
まずはおろしそばを手繰ります。
冷たいお蕎麦が、火照った身体に滲みて行きます。
もっとも、火照っているのは熱中症のせいではなく、テンションが上がり過ぎたからかもしれません。
巨大なカツをリフトしてみます。
その下のご飯にもソースがかかっています。
一口齧ってみました。
しっかりと叩き伸ばされた豚肉とサクサクの衣の食感が抜群。
先ほど厨房から何やらトントンと叩く音が聞こえたのは、豚肉を叩き伸ばすためだったのでしょう。
ソースのかかったご飯も実に美味。
キャベツも入っていないソースかつ丼ですが、シンプルながらも力強い丼です。
完食完飲、気力も体力も回復しました。
わらじかつ丼を拝めなかったのは、返す返すも残念ですが、熱中症に打ち勝つだけのエネルギーと水分と塩分を補給しました。
若狭名物の焼き鯖寿司を土産に買うために店を後にしました。
こだま食堂でソースかつ丼を食べた後、すぐ近くにある焼き鯖すしの名店若廣の工場を訪ねました。
若狭の土産に、工場直売所で焼き鯖すしを買って、鯖街道を走って持って帰ろうという趣向。
小さいですが、明るく清潔な店内。
いくつかの商品は売切れていました。
奥はガラス張りになっています。
「工場見学もできるんですよ。今日はもうお終いですけれど」
と穏やかな笑顔の女性店員。
お目当ての焼き鯖すし。
試食を勧められました。
熱いお茶のサービスまで。
日持ちは4日。
保冷剤を入れてくれました。
保冷剤と共に持参した自分の保冷バックに収納します。
バイクのトップケースの中は相当な温度になるからです。
せっかく小浜に来たので、鯖街道の起点を訪ねます。
いづみ町商店街。
往時の賑わいはもうありません。
この商店街に鯖街道起点の碑が埋め込まれています。
その碑には「今日は遠ても十八里」 と刻まれています。
十八里とはおよそ70Km。
昔の人の足では2日の旅だったようですが、この言葉には「京は遠くない」という若狭の人々の思い後込められています。
若狭湾で取れた鯖に一塩して京都まで運ぶと、ちょうど良い味になったといわれ、この鯖を運んだ道を鯖街道と呼んだのです。
鯖街道資料館を覗いてみました。
鯖街道の歴史に関する展示がありました。
鯖だけではなく、文化交流の道でもあったことが窺えます。
小浜を後にあやべ温泉へ向かいます。
時刻は15時過ぎ。
おそらく気温は今最も高くなっているでしょう。
福井県道1号線を走って山越え。
府県境を越えて京都府綾部市に入ります。
山間にあるあやべ温泉二王館。
熱中症との戦いに休息を求めて立ち寄りました。
宿泊施設ですが、日帰り湯が可能で、地元の方が大勢いらしていました。
ぬめりのある肌触りで、美人の湯とも呼ばれています。
公式HPから |
お風呂上りに休憩室のリクライニングソファーでオロナミンC。
疲れていたのか、この後、一時間ほどウトウトしてしまいました。
もう夕暮れ時です。
気温はだいぶ下がってきました。
丹波ICから京都縦貫自動車道へ。
名神高速~近畿自動車道~阪神高速と、渋滞も無くスムーズに帰って来ました。
今日の走行距離は335.6Km。
かなり走りました。
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