外が少し明るくなってきたので、カーテンを開けると朝日が登り始めています。
まだどなたもお風呂には来ていません。
気持ちのいい朝風呂を独り占め。
肌にまとわりつく、とても温まるお湯。
白山の紅葉を眺めながら、命の洗濯。
ナトリウム-炭酸水素塩泉の成分が石鹸のように皮膚の脂肪や分泌物を洗浄してツルツルにし、塩化物泉の成分が皮膚をパックして水分の蒸発を防ぎます。
シャワーで洗い流すのはもったいない話。
中宮温泉は昔から「胃腸の湯」と呼ばれています。
炭酸水素塩泉の成分が胃酸を中和し、胃の運動も活発にするそうです。
胆汁分泌を促し、肝臓、すい臓を元気にする機能もありますから、昨夜に続き、今朝も飲泉。
朝食は7時半からと、ゆっくり目。
ご飯はお粥です。
控え目なボリュームがありがたい。
宿の前で従業員の方に愛車とのツーショットを撮ってもらいました。
天気予報は雨ですが、夜半に降って、今は上がっています。
路面は濡れているので、気を引き締めて走ることにします。
振り返れば、美しい渓谷美。
国道360号線の洞門を再び走り抜けます。
国道157号線に入り、手取湖に向かって南へ走ります。
手取川ダムによって出来た人造湖は美しい風景を見せてくれます。
山岳地帯にも関わらず、二車線の走りやすい道を快走します。
福井県に入りました。
この道はツーリング二日目に恐竜博物館から金沢市内に向かう時に通った道。
あれからもう一週間です。
永平寺大野道路から北陸道に入ります。
なんとかここまで雨に降られずに来ました。
南条SAのスタバでちょっと一服。
目的地の敦賀まであと一息です。
敦賀のランチの候補は三店。
いずれも甲乙付け難く、それぞれの店構えや行列の加減をチェックして回ります。
敦賀ヨーロッパ軒本店。
高い建物の付くない敦賀では、一際偉容を誇ります。
行列はありませんでした。
今回のツーリング初日に福井でもソースカツ丼を食べたので、今日は本店見学のみ。
海鮮丼で有名などんと屋。
そこそこ待ちそうです。
今回のツーリングでは、散々海鮮を食べたので、これもパス。
結局、自分の中ではここだと決めていたお店に落ち着きました。
中華そば 一力。
敦賀を代表する人気ラーメン店。
もちろん行列ですが、それは織り込み済み。
「本日人手不足の為ご案内に時間がかかります。御理解いただける方のみご入店下さいませ」
というのは、なかなかに挑戦的なメッセージ。
しかも手書きではありません。
恒常的に人手不足ということでしょう。
私は「ご理解」の上並ぶことにしました。
13時15分です。
1950年代に敦賀駅前の屋台からスタートし、1977年に店舗を構えた一力。
店を切り盛りするのは初代と二代目。
ラーメン一筋にこだわり続け、現在は「敦賀に一力あり」といわれる超有名店に。
敦賀は鉄道の町。
銀河鉄道999を活用した「町づくり」を行っているらしく、松本零士の原画を利用したポスターも、敦賀観光協会との協力で使用しているそうです。
並んでいる間にメニューを品定め。
もう少しで席に案内されます。
着席まで25分。
行列の長さからすると想定内。
しかし、4人がけのテーブルに私一人座らせていいのでしょうか。
その謎は後でわかります。
考える時間は十分にありました。
ワンタン麺を選択。
大盛にするかどうかは、最後まで悩みましたが、普通盛で。
ところが待てど暮らせどラーメンは出て来ません。
しかし、私の前のお客さんたちも出て来ませんから、忘れられているわけではなさそうです。
トータルでほぼ一時間待ちでした。
立っていた時間は短かったので、肉体的には疲れませんでしたが、精神的には疲れました。
人手不足で調理に時間がかかるので、お客を詰め込んでも結局待たせるのは同じことだから、私が4人がけのテーブルを占拠しても良かったのです。
葱と紅生姜がのっています。
まずはスープを一口。
豚骨と鶏ガラベースのスープは、豊かな風味とコクが口の中に広がります。
確かに旨い。
さっそくワンタンから。
たっぷり餡の入ったトロトロのワンタン。
細目のストレート麺は、濃厚な豚骨鶏ガラスープとの相性が抜群です。
確かにスープ、麺ともにレベルが高く、行列の人気店なのは納得。
せっかくの美味しいスープは残すのはもったいない。
完食完飲です。
人手不足と言いますが、要は厨房のオペレーションの問題。
ラーメン以外の料理があるわけではないので、時間がかかりすぎなことは否めません。
茹で時間のかかる太麺でもありませんし、具材は全て作り置き可能なもの。
それでも美味しいから、みんな食べに来るのです。
駐車場に戻ると、一段と雲が増えて今にも雨が降り出しそうです。
敦賀ICから北陸道へ。
少し降り始めたようです。
福井・滋賀県境でとうとう激しい雨に降られました。
しかしそれは時間にして15分ほど。
米原JCTから名神高速へ。
瀬田東ICから京滋バイパスへ入り、久御山JCTから第二京阪道路へ。
もうここまで来れば、あとわずか。
近畿自動車道から守口JCTを経由して阪神高速南森町出口へ。
無事家に着きました。
8日間の総走行距離は2053.3km。
250ccの非力な愛車は、よく頑張ってくれました。
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